はじめに

このマニュアルは私が独自に解釈して作成した私家版のユーザーマニュアルです。

内容の正確性については一切保証しませんので、実際の使用に当たっては1次ソースを必ず参照してください。

必要ないと思ったペリフェラル、箇所については翻訳を省いています(特にCPのプロトコル部分)


第1章 概要

MC68302 統合通信プロセッサ(以下IMP)は多種多様な制御装置に必要な主要機能を組み込んだ超大規模集積回路(VLSI)です。このデバイスは特に通信業界のアプリケーションに適しています。

IMPは密に結合された業界標準であるM68000マイクロプロセッサと柔軟な通信アーキテクチャを提供する最初のデバイスです。IMPは複数の一般的な業界インターフェイス(ISDNベーシックレートやターミナルアダプタを含む)をサポートするように構成できます。異なるプロトコルの同時動作は、アーキテクチャやプログラマブルな機能を組み合わせることにより容易に実現することができます。データコンセントレータ、ラインカード、モデム、ブリッジ、ゲートウェイなどがこのデバイスに適したアプリケーション例です。

IMPはM68000マイクロプロセッサコア、システムインテグレーションブロック(以下SIB)、コミュニケーションプロセッサ(CP)から構成される高密度相補型金属酸化膜半導体(HCMOS)デバイスです。

1.1 ブロック図

ブロック図を図1-1(準備中)に示します。

マイクロプロセッサコアとシリアルポート(CP内)、システムペリフェラル(SIB内)を統合することによって、IMPはすべてのISDN基本レート(2B+D)アクセスタスクのような複雑なタスクを処理することが可能です。例えば、IMPアーキテクチャとシリアル通信コントローラ(SCC)ポートは、S/Tトランシーバチップのインターフェイスと、下位部分(ビット操作)のISO/OSI第2層をサポートすることができます。そのほかの第2層機能および上位プロトコル層はM68000コアで実行されるソフトウェアで実装されます。

IMPの柔軟なメモリベース・バッファ構造を使用して、3つのSCCポートとシリアル通信ポートの間でデータバッファ情報を変換・共有することにより、ターミナルアダプタにも応用可能です。

各SCCチャンネルは HDLC/SDLC1、UART、BISYNC、DDCMP2、V.110、またはトランスペアレント動作に対応します。IMPは、様々なレート適応技術に対して多くの選択肢を提供し、ターミナルコントローラ、マルチプレクサ、コンセントレータなどの機能として使用することができます。

MC68302は、ローカル制御バスとX.25パケットネットワークを利用したリアルタイム制御を行うボードレベルの産業用コントローラなどのアプリケーションにも使用できます。このようなシステムでは、要求の厳しい周辺機器にリアルタイムで対応しながら、X.25パケット・ネットワークを介したリモート・モニタリングや通信を可能にします。

1.2 主な特色

IMPの特色を以下に示します。

  • 8/16ビットM68000ファミリシステムをサポートする音チップHCMOS MC68000/68008コア

  • システムインテグレーションブロック

      - 3つのハンドシェイク信号(/DREQ,/DACK,/DONE)を持つ独立DMA(IDMA)コントローラ
      - 2つの動作モードを持つ割り込みコントローラ
      - パラレルI/Oポート(一部は割り込みが使用可能)
      - オンチップの1152バイトデュアルポートRAM
      - ウォッチドッグタイマーを含む3つのタイマ
      - ウェイト・ステート・ジェネレータを含む4本のプログラマブル・チップ・セレクト
      - 出力可能なオンチップ・クロック・ジェネレータ
      - システム制御
          - 低レイテンシ・割り込み対応バス調停ロジック
          - システムステータスおよび制御ロジック
          - CPU無効化ロジック(M68000)
          - ハードウェアウォッチドッグ
          - 低消費電力(スタンバイ)モード
          - デバッグ用フリーズ制御
          - DRAMリフレッシュコントローラ
    
  • コミュニケーションプロセッサ

          - メインコントローラ(RISCプロセッサ)
          - 独立した3つの全二重シリアル通信コントローラ(SCC)
          - 各種プロトコルをサポート
              - HDLC/SDLC(High-Level/Synchronous Data Link Control)
              - 汎用非同期送受信機(UART)
              - バイナリ同期受信(BISYNC)
              - 同期/非同期デジタルデータ通信メッセージプロトコル(DDCMP)
              - トランスペアレントモード
              - V.110レート適応
          - 3つのSCCのための6つのシリアルDMAチャネル
          - SCCからアクセス可能な柔軟な物理インターフェイス
              - モトローラインターチップデジタルリンク(IDL)
              - 一般回路インターフェイス(GCI/IOM-2)
              - パルス符号変調(PCM)ハイウェイインターフェイス
              - 非多重シリアルインターフェイス(NMSI)
              - 標準モデムの実装
                  - 同期通信のためのSCP
                  - IDLとGCIをサポートする2つのシリアルマネージメントコントローラ(SMC)
    

1.3 MC68302システムアーキテクチャ

(工事中)